太陽光発電の発電量低下調査について
発電量の低下の調査依頼を頂くケースが増えて参りました。設備の数が増えたこともありますが、点検や計測が一般的になり、より発電量が低下していることが明るみに出てきたという一面もあるかと思います。
発電量低下は、発電事業主にとって最大のリスクになりますので、早急に対応と原因特定、対策が必要になります。
当社では、発電量低下の調査を実施しております。実施事項は主に以下となります。
①設備状況確認
②PCS・接続箱でのI-Vカーブ測定、絶縁抵抗測定
③各ストリングの断線等の特定検査(使用機材:戸上電機製作所 セルラインチェッカ)
④モジュール単体でのI-Vカーブ測定(場合による)
ただし、このような依頼でもっとも多いのが、そもそもストリング表が間違っているというケースです。正しいストリング表がないと特定に多くの時間を要しますので、正確なストリング表の入手をお願いいたします。
さて、発電量低下の調査ですが、①現地の状況(PCSの稼働状況等)を確認の上、②を軸に実施いたします。I-Vカーブ測定を実施することで、発電量低下の要因をある程度特定することが可能です。現在当社が実施してる案件で多い事例をご紹介いたします。
1.パネルの汚れ
パネルの汚れにより発電量が低下しているケースは、屋根置きを中心に多くなっています。発電量に影響のでるような汚れは見てすぐにわかりますので、最初から汚れているのではないかという相談を頂くケースが多くなります。詳しくは下記ページをご覧ください。
https://techno-care.jp/panel_joso
2.PCSの停止
これはパワコン自体が止まっているというもので、遠隔監視装置のデータからでも想定ができる事象です。この場合はPCSの状態を確認し、エラーコード等でかこの履歴が取れれば確認し、コールセンターとやり取りしながら、事象の切り分けを行います。再起動等で復旧しない場合は、メーカー対応や交換になりますので、該当の位置情報、製品no等を控え報告いたします。10kwのパワコンですと、1日止まれば、単価・DC容量などによって一概に言えませんが、1000円前後の損失になりますので、放置するとかなりの金額になりますね。
3.ストリング停止
遠隔監視の監視単位によっては確認ができますが、基本的に現場でないと分かりません。開放電圧の測定、I-Vカーブ測定の測定で分かります。ケーブル断線、コネクタ不良など考えられます。最初から接続されていなかった例もあります。
4.クラスタ断線
モジュールの不具合になります。I-Vカーブ測定で分かります。開放電圧の数値でもなれると判別できますが、I-Vカーブ測定の方が確実です。開放電圧がモジュールの1/3分の10~15Ⅴ程度低くなっている事象でモジュールの3つのクラスタのうち1つが通電していない状態です。(下記図参照)最近もっとも多くみられる事象です。要因は特定難しいですが、ホットスポットやバイパスダイオード故障など複合的な要因で起こるケースが多くなります。セルラインチェッカやソラメンテisなどで特定し、場合によってはモジュール単体のI-Vカーブ測定を実施し、モジュール交換できる状態まで調査します。モジュールメーカーの保証で交換になる場合もあれば、事業主負担で損害保険を適用し交換する場合もあります。
サーモカメラでホットスポット調査を組み合わせる場合もありますが、発電量低下のエビデンスになりませんので、優先順位は低くなります。
発電量低下の調査費用目安
※ストリング表が必須になります。遠隔監視のデータもあればご提出いただきます。
※場所や設備状況により異なります。(建物の場合費用が追加でかかる場合もあります)
低圧発電所1区画 5か所程度まで 6万円~
発電量低下の調査についてのお問い合わせ